サロン経営をするうえで、できるだけ固定費を抑えたり、家事や育児と両立したいという理由で、自宅サロンというスタイルを選ぶ方は、年々増えてきています。
しかし、自宅サロンという形であるがゆえに、「上手くサロンの認知ができない」、「店舗型のサロンには勝てない」などの理由で、集客や売上アップに苦戦をしている方が多いのが現状です。
中には、せっかくサロンを開いたのに月の売上が10万円にも満たないという人もいらっしゃると思います。
そこで、今回の記事では、私のクライアントの自宅サロンオーナーの方が、意外な方法で売上を18.2倍にした事例をご紹介します。
どこにでもあるごく普通の集客ができなかった自宅サロンが、どのように生まれ変わったのかをご覧ください。
Contents
1.成功事例の自宅サロンのご紹介
自宅サロンの成功事例をご紹介する前に、まずは私のクライアントの自宅サロンの店舗情報をご紹介します。
1-1.自宅サロンのお店情報
①所在地
自宅サロンの場所は、埼玉県の越谷市にあり、ベッドタウンとして有名な場所に位置しています。
②オーナーの人物像
年齢を感じさせない雰囲気をお持ちで、人当たりがとても良くおっとりとされている方です。
元々エステティシャンとしての経験が9年ほどあり、その後、結婚と出産を経て、自宅サロンを開業されたそうです。
③アドバイス前の状態
自宅サロンということで、なかなか認知されにくく、お客さんはほとんど来ず、たまに知り合いや友人が来てくれるといった状況でした。
しかも、高い料金を設定しづらく、相場よりも安い料金で施術をしていたため、月の売上は5万円にも満たない状態でした。
④アドバイス後の状態
ほとんどと言っていいほど認知されていなかった自宅サロンが、安定して月に40~50人のお客さんに来ていただくようになりました。
売上に関しては、5万円しかなかった月の売上を91万円まで伸ばすことに成功しました。
1-2.同じような自宅サロンはとても多い
この自宅サロンと似たような状況のお店はとても多いと思います。
つまり、多くの自宅サロンはこれからご紹介する成功事例を参考にしていただくことで、集客アップや売上アップをできる見込みがあるということです。
2.自宅サロンの成功事例
ここからは、なかなか上手くいかなかった自宅サロンが売上を伸ばしていく道筋を、インタビュー形式でお伝えしていきます。
ぜひ、ご参考にしていただき、集客や売上の改善にお役立てください。
2-1.理想のお客さん像のペルソナ設定をやめる
正岡「では、よろしくお願いします」
オーナー様「はい、よろしくお願いします」
正岡「現在あまりお客さんが入らないとの事ですが、どういう層をターゲットにしていますか?」
オーナー様「はい、以前あるコンサルの方に理想のお客さま像のペルソナを作って、その人をターゲットにしたメニュー構成を考えていくという方法を教わったので、ペルソナはかなり細かく設定しています」
正岡「ちなみに、それはどのようなペルソナですか?」
オーナー様「40代女性で、既婚者。子どもがいる。そして、美容に気を遣っていて、化粧品などは人よりも良いものを使っている(以下省略)という感じです。ですので、」
正岡「なるほど。では、まず最初に結論から言うと、そのペルソナ設定はやめてしまってください」
オーナー様「え?やめるんですか?」
正岡「はい、やめちゃって大丈夫です。なぜなら、そのペルソナに近い層の人はこのお店の商圏エリアにどれくらいいますか?」
オーナー様「あまり見かけたことはないです。というより、ほとんどいないですね。」
正岡「ということは、そのペルソナ設定をしている限り、商圏内のほとんどの人たちには、『このお店は私とは関係のないお店』というふうに思われてしまうんです。ということは当然集客はできないですよね?」
オーナー様「たしかに…。では、どうすればいいでしょうか?」
正岡「実は、ペルソナ設定をしなくても簡単に集客できる方法があるんです」
オーナー様「え?どういうことですか?」
正岡「そのご質問にお答えするために、ちょっとお聞きしたいのですが…。オーナー様の商圏内の女性たちで最も多い人たちはどのような人たちですか?」
オーナー様「そうですね…最も多い人たちは家事や子育てに追われている主婦の方です。」
正岡「その人たちは今何に一番苦しんでいますか?」
オーナー様「私の友人にもたくさんいるのですが、とにかく疲れが取れなくて、どんどん女性としての輝きも失われていくということで悩んでいる方は本当に多いです」
正岡「オーナー様はその悩みを自分のサロンで解消してあげることはできますか?」
オーナー様「はい、できます」
正岡「では、その悩みを解消するメニューを作り、その人たちにそれを宣伝するようにしていきましょう。
どういう事かというと、まず多くの人は理想のお客さん像をペルソナとして設定して、それに合ったサロンづくりやターゲティングをする事が多いのですが、それはあくまで自分の想像上で作り上げたターゲットであって、実際の自分の市場(商圏)に存在しないことが多いんですね。
ですので、それをやめて実際の自分の商圏にいる人はどんな人で、どんな問題を抱えているのか?ということを軸にターゲティングをして、そのターゲットに合ったコンセプトやメニューを考えていくべきなんですね。
そうすることで、自分の商圏の人たちから求められるサロンを作ることができるのです。」
オーナー様「なるほど!自分が想像で考えたペルソナではなく、実際にいる人たちをターゲットにして、その人たちの持つ悩みを解消するためのサロンであるということですね!」
2-2.ターゲットだけを集める集客方法を選択する
正岡「まずは、想像で作った理想のお客さん像のペルソナ設定をやめて、実際の商圏にいる人を軸にターゲットを決めて、そのターゲットに合ったコンセプトやメニューを考えるということについて話しました。
次は、集客方法について見直していきましょう。
オーナー様は、現在どういう方法で集客をしてきましたか?」
オーナー様「私はとにかく自分のサロンを認知して欲しかったので、商圏内でチラシをポスティングしたり、ホットペッパービューティーなどに広告を出したりしていました。」
正岡「なるほど。自分の商圏を軸にした集客や、業種ならではの媒体を使う方法ですね。それはそれでとても良い方法だと思いますが、実はもっと効率良く集客する方法があるのです。
先ほどの話だと、オーナー様の商圏には家事や子育てに追われていて、「疲れが取れない」、「女性としての輝きが失われていく」という問題を抱えているということでしたよね?」
オーナー様「はい、そうです。」
正岡「では、家事や子育てに追われている層の人たちが人が良く見る媒体、もしくは疲れが取れないと悩む人、女性としての輝きが失われていくと悩む人たちが良く見る媒体にオーナー様の宣伝を出したらどうなりますか?」
オーナー様「狙っているターゲット層と一致するので、とても相性が良いと思います。」
正岡「そうですね。ここで重要なことは、自分がターゲットにしている層をピンポイントで狙うには、どんな手段や媒体を選ぶべきかということなんです。
セオリー通りの地域を軸にした集客や、業種ならではの媒体を使うのももちろん良いですが、自分のターゲット層に宣伝を届けるための媒体や手段を見極めることで、より効率良い集客ができるようになります。」
オーナー様「わかりました。その考えで宣伝媒体や方法を考えてみます。」
2-3.伝えるメッセージを改善する
正岡「宣伝方法や宣伝媒体を改善すると同時に、宣伝で伝えるメッセージも改善していきましょう。
オーナー様が普段宣伝をする際に、お客さんに伝えている内容はどんなことですか?」
オーナー様「当店の場合は、メニューの説明がほとんどです。何十分間の施術をするのか、そして、どんなオイルや器材を使うのか、という説明がほとんどです。」
正岡「なるほど。メニューの説明は宣伝をするうえで必要なことだと思います。でも、それだけでは集客にはつながりにくいんですね。なぜなら、メニューの説明だけをされても、お客さんからしてみれば、『自分がどうなれるのか?』ということが分からないんです。
自分がどうなれるか分からないお店に行きたくなることはないですよね?」
オーナー様「たしかに、私も自分がお客さまの立場なら、自分がどうなれるかが分からないと行く気にはなれないですね。ではどうすればいいでしょうか?」
正岡「宣伝で伝えるメッセージで最も重要なのは『どんな結果になれるか』ということなんです。
例えば、誰もが知っている某ダイエット専門のパーソナルジムのCMでは、コースの説明についてはほとんど触れていません。その代わりダイエット後の『結果』を分かりやすく見せています。結果を見せることで「自分もこうなれるかも」と思ってもらいやすいのです。
つまり、宣伝で伝えるべき最も重要なことは、自分のお店や商品やサービスの説明ではなく、『どんな結果を得ることができるか』なのです。
メニューの説明も、とても大事ですが、それ以上に『どんな結果になれるか』ということに焦点を合わせるようにしてください。
オーナー様「わかりました、ご丁寧にありがとうございました。早速やってみますね。」
2-4.自宅サロンの売上が改善される
オーナー様「正岡さんのアドバイスに沿ってやってみたところ、お客さまの数が格段に増えました。先月は47枠も予約が入りました。
しかも、実際にターゲットの方に合わせたメニューに変えたので、施術後に本当に喜んでいただけるし、今までより少し値段を上げましたが問題なく集客できています。」
正岡「素晴らしいですね!おめでとうございます。」
オーナー様「ありがとうございます!今後ともぜひよろしくお願いいたします!」
今回の自宅サロンのオーナー様は、このように
- 理想のお客さん像のペルソナをやめて、実際のターゲットを軸にコンセプトやメニューを作り直した
- 実際のターゲットの属性を軸に、宣伝の媒体や手段を見極めた
- 伝えるメッセージをメニューの説明から、得られる結果の説明へ変えた
という改善によって、月5万円も満たなかった月商を91万円まで伸ばすことに成功したのです。
3.まとめ
今回の自宅サロンの成功事例は、どうでしたか?
このように実際の成功した事例と自分のお店と照らし合わせて読んでいくことで、より深い学びを得ることができるようになります。
ですので、あなた自身も、自分のお店の状況を思い浮かべながら、自分だったらどうするべきか、どういう形で行うべきかを考えていくことをお勧めします。
それを繰り返すことで、あなたの自宅サロンの集客、売上アップにもつながっていくはずです。