チラシは、飲食店の集客や告知に古くから用いられてきました。
もちろん今もチラシは健在ですが、他の手法が続々と登場している中でチラシだけが唯一の選択肢ではなくなっています。
では、飲食店が今の時代もチラシを使って効率の良い集客をするとなると、どんな方法が良いのでしょうか。
今も昔も飲食店集客の定番であるチラシについて、今の時代にふさわしい方法を解説したいと思います
1.飲食店におけるチラシ集客の最新事情
今も集客方法の定番ではあるものの、時代の変化によって少しずつそのあり方を変えてきているチラシについてその最新事情をまずはチェックしてみましょう。
1-1.飲食店にとってチラシ集客は古典的かつ定番の手法である
飲食店というのは極めてアナログ的なビジネスです。
食べ物や飲み物、それに加えてその場の雰囲気やお店の人との会話などを楽しむ場所であり、本来であれば家で済ませられる食事であるところをお店まで足を運んでもらうのですから、アナログ的な付加価値を提供するビジネスです。
そんな業態だけに、チラシというアナログ的な集客方法とは古くから親和性が高く、今も古典的かつ定番となっている方法です。
何でもネットという今の時代になっても、チラシがなくなってしまうということは考えにくいと思います。
1-2.しかしチラシによる集客力は低下傾向
飲食店とチラシの親和性が高く、今も定番ではあるとは言え、やはり何でもネット化、オンライン化している時代にあってはその集客効果も以前ほどのものではなくなりつつあります。
ネットを利用した方法だと細かい部分まで効果の計測も可能になるため、その意味でもネットの分野が広告手法としてどんどん進化しているのは間違いありません。
1-3.もう、チラシ集客の時代ではないのか?
ネット化、オンライン化の進行によってなくなることはないとは言え、今はもうチラシによる集客の時代ではないのでしょうか?
これについては、そんなことはないと思います。
やり方によってはまだまだチラシを使って飲食店が効果的に集客をすることはできますし、ネット化があまり進んでいない高齢の人たちなどにリーチする力は今も十分あります。
2.飲食店のチラシ集客が成功しない3つの理由
まだまだ現役とは言え、多くの飲食店がチラシによる集客で苦戦を強いられています。
それはいったい、なぜでしょうか。主に考えられる3つの理由を挙げてみました。
2-1.そもそもチラシが読まれていない
人はそもそも、広告が好きではありません。「どうせ広告だろう」と分かった時点で見る気をなくし、チラシであれば捨ててしまいますし、テレビCMであればチャンネルを変えたりテレビ以外のものに興味を持ったりします。
この心理パターンにより、ポストにチラシが入っていたとしても見ることなく捨ててしまっている可能性はかなり高いでしょう。
むしろ疲れて帰って来た人などは「誰だ、こんなチラシを入れるのは」と反感を持つこともあるでしょう。
こうした心理パターンに共通しているのは、せっかく投函したチラシが読まれておらず、最初の段階からつまずいてしまっているという事実です。
2-2.では、折り込みチラシはどうか?
それでは、ポスティングではなく折り込みチラシならどうでしょうか。
これもやはり、たくさん入っている新聞の折り込みチラシをまとめて捨ててしまう人が大半で、ポスティングのような反感を買う可能性がない程度の違いしかないでしょう。
前項の心理パターンと合わせて、飲食店オーナーさんがチラシの受け取り側になり、ご自身に同じことが起きた時にどう行動するかを考えてみると、結果は明白だと思います。
2-3.チラシの内容が読みたい内容になっていない
運良くチラシを手に取ってもらって、読んでもらえる状況になったとします。
しかし、チラシに書かれている内容が単にメニューやお店の所在地、連絡先程度であったとしたら、特に目新しいこともないため、やはり興味を持たれることなくゴミ箱行きです。
前項までの「そもそも読まれていない」というケースが大半であることを考えると、せっかくこの段階まで来たのにチラシの内容がつまらないばかりにリーチしないというのは、実にもったいないことですね。
3.手に取って読んでもらえる飲食店チラシの法則
チラシを手に取ってもらい、内容を伝えて来店につなげるまでの法則をまとめました。ここまで解説してきた問題を解消するための対策の先には、効果的な集客ノウハウがあります。
3-1.チラシを読んでもらうためにできる3つの工夫
そもそもチラシが読まれていないという問題を、まずは克服しましょう。そこで考えられる3つの方法をご紹介します。
3-1-1.ポスト以外のところにチラシを配布する
ポスティングというくらいなのでチラシはポストに入れるのが常識ですが、敢えてその常識を覆してドアノブにかけておくなど、目立つための工夫をします。
しかし、これだけだと反感を買うだけで終わってしまう可能性があるので、次項のように「なぜドアノブにチラシをかけたのか」が伝わるような工夫とセットになっている必要があります。
3-1-2.チラシにちょっとしたプレゼントをつける
ドアノブにチラシをかけるなど目立つことをしたのですから、それだけの見返りがないと内容が伝わるどころか反感を買ってしまいます。
ここで工夫したいのはちょっとしたプレゼントです。
ポケットティッシュやティーバッグなど安価なもので構わないので、何かをつけることで「特別なお知らせ」があることを伝えましょう。
3-1-3.チラシを直接手渡しする
ドアノブにかけるなどの方法は基本的に間接的なチラシの渡し方ですが、直接訪問して手渡しをするのも有効です。
だからといって個人宅に訪問をするのは不審がられる可能性がありますし、今どきはアポなし訪問を好まない人が多いので、逆効果になる恐れがあります。
そこで注目したいのが、飲食店の近隣にあるオフィスなど、個人宅ではなく人が集まっている場所です。オフィス以外には公民館や趣味のサークルで集まっている場所でも構いません。
「ごめんください、近所にお店をオープンしましたのでご挨拶を兼ねて割引券をお持ちしました」という具合にチラシを手渡しすると、不審がられることもなく同時に複数の人にリーチできるというメリットがあります。
ランチ営業をするのであれば、近隣のオフィスは貴重なマーケットです。こうした人たちにしっかりと飲食店の存在を知ってもらうことは意義があります。
3-2.お客さんのメリットを具体的に提示する
次にチラシの内容ですが、お客さんにとってどんなメリットがあるのかという点を具体的に提示しましょう。具体性を持たせる基本は、数字を使ってメリットをよく分かりやすくすることです。
「こだわりのおいしい牛肉を使用しています」という表現と、「A5ランクの和牛をいくら食べても2,980円」という表現では、どちらに具体性があって、どちらに行ってみたいと思えるでしょうか。答えは言うまでもないと思います。
多くのお店が作っているチラシはお店の紹介をメインにしている場合が多いのですが、お店の紹介ではなく、「お客さんにとってメリットのあるオファーであること」がチラシ集客の成否を分けます。
できるだけお店として売りにしたいことに具体性を持たせ、それがお客さんにとってメリットのあるオファーであることを分かりやすく伝えましょう。
3-3.お客さんのメリットに限定性を設ける
チラシが持つ最後の役割は、クロージングです。今すぐお店に行こうと思ってもらうために、オファーに限定性を持たせるのです。
「このチラシをお持ちいただいた方のみ、〇月〇日まで」といったように、最後に期限をつけることで今すぐ来店する動機へとつながります。
メリットを具体的に伝えることは重要ですが、それだけで終わってしまうと「よし、今度行こう」といったように、来店動機に期限がつかなくなってしまいます。そのまま忘れられてしまう可能性もあるので、それを防ぎつつ来店動機を高める意味で、メリットに限定性を設けることは有効です。
なお、限定性を設ける方法としては、日時のほかに「先着10名様限定」といったように人数の制限をかけるやり方も効果的です。
4.まとめ
今もなお飲食店の集客ツールとして広く用いられているチラシについて、なぜチラシでうまく集客できないのかという原因の特定と、それを克服する正しいチラシ集客の手法を解説してきました。
どれも今すぐ取りかかれます。試す価値は大いにあると思いますので、次のチラシ配布で実践してみてください。
合わせてこちらの記事も参考にしてください。