飲食店の集客方法には、たくさんの選択肢があります。選択肢が多いことは喜ばしい一方で、どの方法を選ぶのが適切なのかを悩んでしまうこともあるでしょう。
しかも、多くの集客方法を採用して宣伝活動をしたところで、それがイマイチ集客につながっていないと感じることも、よくあります。
なぜ、積極的に宣伝をしたのに集客につながらないのか?その理由と解決策、さらに有効な集客方法のセオリーを解説したいと思います。
Contents
1.飲食店の5大集客方法
飲食店の集客方法には、主に5つの方法があります。古くから用いられているアナログ的な手法から、ネットを使った今どきの方法まで、それぞれに特徴があります。
1-1.チラシ
最も古典的かつ伝統的な手法でありながら、今もなお飲食店の集客ツールとして広く用いられています。
近隣への告知を重視するのであれば配布地域を選ぶことができることや、「手に取れる広告」であることが年配の層などにリーチしやすいというメリットがあります。
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1-2.フリーペーパー
フリーペーパーもチラシと同様に紙のメディアです。チラシとの違いはある程度読者層が決まっているため、そのフリーペーパーの読者層と集客をしたいターゲット層が一致している場合は広告効果が高くなります。
1-3.看板
看板は店の場所を正確に知らせる役割と、そこに何を提供している店があるのかを告知する役割を持った必須アイテムです。飲食店の「顔」になる部分でもあるので、分かりやすさだけでなくデザイン性も求められます。
1-4.SNS
近年、飲食店の告知や宣伝に用いられることが多くなっている新しい手法です。個人の口コミと同様の宣伝効果を持っているので、「インスタ映え」を狙った商品開発や店舗デザインなど、SNSを重視した集客戦略の存在感は大きくなってきています。
1-5.ポータルサイト
ここでいうポータルサイトとは、「食べログ」や「ぐるなび」といった飲食店向け専用のポータルサイトのことです。近年ではこういったサイトで飲食店の基本情報を調べた上で、さらに評価を重視するようになっているユーザーも多く、飲食店の集客アイテムとして欠かせないものとなっています。
2.宣伝をしても集客がうまくいかない理由と解決策
さまざまなメディアや手法を使って宣伝活動をしても、うまくいかないということもよくあります。これらのうまくいかない事例には、共通して重大な問題がひそんでいます。それは、どんな問題なのでしょうか。
2-1.宣伝効果が出る人と、出ない人の違い
先ほどご紹介をしたチラシやSNSなどの手法は、それぞれ異なる属性やターゲットに飲食店の魅力を伝えるのに有効なものばかりです。
しかし、こういった手法を使って宣伝をしているのに、思うように集客ができないというのは、宣伝手法の問題ではなく、それ以前の問題であることが大半です。
その問題とは、そもそも飲食店に行く最大の動機である「ご飯を食べに行きたい」「お店に行きたい」という欲求を持っていない人に対しても宣伝をしていることです。
そもそも飲食店を利用するための欲求がない人というのは、「どの店に行くか」という選択の段階にはなっておらず、宣伝をしても意味がない人たちです。
宣伝をして効果が出る人と、根本的に効果が出ない人がいるのです。
2-2.ターゲットを絞り込む重要性
そこで重要になるのが、ターゲットの絞り込みです。ここで絞り込むべき人というのは、以下のような状況にある人たちです。
- 今、お腹が空いていて飲食店を探している人
- これから食事に行く予定で店選びをしようとしている人
- すでに食事は終えているが2軒目を探している人
- 近日予定されている接待や飲み会の幹事
- パートナーとの記念日ディナーを予定していて店探しをしている人
いかがですか?
これらの人たちはいずれも飲食店に行くことはすでに決まっていて、あとは店選びをする段階の人たちです。飲食店の集客戦略はまず、こうした人たちに届かせるものであるという前提が不可欠です。
3.ターゲットを絞り込んだ次にすること
ターゲットを絞り込んだら、次にすることはこうした人たちがどうやって飲食店の情報を知ろうとしているかという行動の分析です。
3-1.ターゲット層の人たちの来店行動を分析する
先ほど挙げたターゲットのうち、例えば1つ目の「今、お腹が空いている人」はどうやって店探しをすると考えられるでしょうか。
おそらく1人で行動していて今すぐ食事をしたい人だと考えられるので、看板やポータルサイトが最適です。
2つ目の「これから食事に行く予定の人」は、まだ近所には来ていないので看板よりもポータルサイトが有効でしょう。
このように、自分がそのターゲットになった人の立場になってみて、自分ならどうやって店探しをするかという視点で行動を分析してみてください。
3-2.分析に基づいて宣伝に使う媒体を選ぶ
すでに若干触れましたが、この記事で挙げたターゲットそれぞれが店選びをする行動を分析した上で、使いそうな媒体を想像してみましょう。
- 今、お腹が空いていて飲食店を探している人
⇒今すぐ店を見つけたいので、優先順位は看板、ポータルサイト。 - これから食事に行く予定で店選びをしようとしている人
⇒まだ近くには来ていないので看板よりもポータルサイト、もしくはSNS。 - すでに食事は終えているが2軒目を探している人
⇒この場合もまだ店の近くには来ていないのでポータルサイトや口コミ(SNS)。 - 近日予定されている接待や飲み会の幹事
⇒まだイベントまでは時間があるのでチラシやフリーペーパーの情報があれば注目する可能性が高い。 - パートナーとの記念日ディナーを予定していて店探しをしている人
⇒非日常的なイベントで失敗できないという思いが強く、フリーペーパーやポータルサイトによる情報収集、さらにSNSによる口コミにも注目する可能性。
3-3.媒体に加えてタイミングの狙いを定める
媒体選びと同様に重要なのが、タイミング戦略です。
先ほど挙げたターゲットの中にある記念日ディナーはクリスマスイブなど特定の日を想定している場合も多いため、その時期を見越して12月に入った直後にチラシやフリーペーパーなどで宣伝活動をすると届きやすくなります。
その他にも季節メニューの訴求なども、それなら行ってみようという動機につながる効果が期待できます。
3-4.今すぐ行動を起こす理由を設ける
飲食店を選ぶ消費者心理というのは気まぐれであり、その時の気分に左右される部分が大いにあります。そのため、「今すぐ行動を起こす」という目的を持たせることも重要です。
- 今すぐ行動を起こさせる理由として考えられるのは…
- 規格外のボリューム(ex.北海道産の巨大船盛)
- ミスマッチだが病みつきになるメニューの提案(ex.鯖バーガー)
- トレンドを意識したメニュー(ex.2019年ならタピオカ)
- 季節限定、本日まで、といったような時期的・時間的プレミア感の演出
こうした訴求がもたらす効果として、「何これ!」「今から行ってみよう」と思わせたら勝ちだというイメージを描いてください。
まとめ
打てど鳴らせど響かないという飲食店の集客活動にひそむ根本的な原因については、おそらく多くの方が薄々感じていることだと思います。
それを具体的にどうすれば良いのかという段階にある方を想定して、解決策と望ましい戦略の立て方について解説してきました。
どれも難しいものではなく、それほどお金がかかることもないので、できることからぜひ実践してみてください。
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