お店の経営をしていくうえで、収支を黒字化させることは最低条件ともいえる課題です。
しかし、実際にはお店を黒字化できなくて苦しんでいるお店は決して少なくありません。
「一生懸命、良い商品を作っても売れない…」
「お客さんをたくさん入れても利益が残らない…」
と悩んでいる人は数多く存在します。
そこで、今回は、800社を黒字化してきた店舗コンサルである私が、多くの人が陥る赤字の原因とその解消方法について解説します。
Contents
1.多くの人が陥る赤字体質を生み出してしまう3つの原因
なぜ、一生懸命営業しているにも関わらず、赤字状態を作ってしまうのか?
実は、赤字を生み出してしまうお店には大きく分けて3つの原因があるのです。
それぞれご紹介していきましょう。
1-1.お客さんの数が足りていない
まず、最も多くの人が抱えている赤字の原因として、
『お客さんの数が足りていない』
というものがあります。
当然ですが、どんなに良い商品やサービスを揃えていたとしても、それを買ってくれるお客さんがいなければ売上には繋がりません。
しかし、驚くことに、赤字で苦しんでいる人の多くは十分な利益を得られるための客数を獲得することができていないのです。
この状態に陥っている人は、何よりも優先して集客に力を入れる必要があります。
1-2.利益率が低すぎる
また、2つ目の赤字の原因は、
『利益率が低すぎる』
ことです。
先ほど、赤字になる最も多い原因として、お客さんの数が足りていないことを説明しましたが、中には十分な客数を獲得しているにも関わらず、赤字体質になってしまっているお店があります。
そういうケースに陥っているお店は往々にして、
『お客さん1人当たりの売上に対する利益率が低すぎる』
のです。
もし、自分のお店の1人当たりの利益率が十分ではなければとても危険です。
この状態を解消しない限り、たとえどんなに頑張ってお客さんをたくさん集めても、黒字率が上昇することはありません。
場合によっては、お客さんを呼べば呼ぶほど赤字化が深刻化することもあります。
1-3.無駄な経費が多すぎる
3つ目の赤字になる原因は、
『無駄な経費が多すぎる』
ことです。
これをお伝えすると、多くの人は
「ウチには無駄な経費なんてない」
「それくらい分かってるよ」
という反応をするのですが、実はこの状態に陥っている人は意外と多いのです。
自分では「無駄な経費などない」と思っていても、実際はお店の経営と関係ない、もしくはほとんど影響していない経費を払い続けていることは決して少なくありません。
1-4.自分の赤字の原因を特定することが大事
以上の3つの赤字の原因が自分のお店に当てはまっていたでしょうか?
赤字を解消するためには、まず自分のお店がどのような原因で赤字体質になってしまっているのかを把握することが大事です。
上記の3つの原因を参考に、自店のお店の経営状態をぜひ再確認してみてください。
では、次はこれら3つの原因を踏まえて、どのように赤字を解消していけばいいかを解説します。
2.赤字を解消して黒字を生み出す3つの方法
では、ここからは赤字状態を解消していくための3つの施策をご紹介します。
2-1.お店へお客さんを呼び込む集客の仕組みを作る
1つ目の施策は、
『集客の仕組みを作る』
ことです。
もし、あなたがお客さんが足らずに赤字を被っているのであれば、何よりも先にお店にお客さんが入って来る流れを作らなければいけません。
しかし、多くの人は集客に関して間違った認識をしていることが多く、「良い商品を売っていればお客さんは自然と集まって来る」と信じて、集客のために何もしないことがとても多いのです。
しかし、実際はそのようなことはありません。いくら商品やサービスが良くても、それをお客さんが知らなければ、その商品はないのと同じですし、たとえ存在を知ってもらえたとしても、その良さが伝わらなければ、誰も買ってくれません。
ですので、そのようなことにならないように、ここでは集客の仕組みについてお伝えします。
2-1-1.新規客を獲得する仕組みを作る
お客さんを集める仕組みを作るうえで、絶対に外せないのが『新規客を集める』ことです。
具体的には、自分のターゲットとなる人たちに宣伝をすることができる広告媒体を使ったり、SNSなどで自分の狙うターゲットに向けた発信をするなどして、お店の認知度アップや、商品やサービスの良さ、コンセプトの発信などをしていきます。
そうすることで、まだあなたのお店を知らない人たちにお店のアプローチだけでなく、あなたのお店や商品・サービスの良さを伝えられるので、集客アップにつながります。
以下の記事にて新規集客についてはより詳しく解説していますので、ぜひ合わせて読んでみてください。
SNSによる店舗集客を成功させる2つの秘訣と、気を付けるべき4つのポイント
Facebookで店舗の集客力をアップさせる、5つの効率的な集客方法
無料の集客を成功に導く「お客さんが集まる仕組み」を作る厳選3メソッド
2-1-2.リピート集客の仕組みを作る
客数足らずによる赤字を解消するには、新規だけでなくリピート集客にも力を入れるべきです。
具体的には、メルマガやLINEなどで常に情報を発信したり、お客さんが飽きないような企画やキャンペーンを定期的に打つ必要があります。
そうすることで、少しずつですがリピート率は上がっていき、客数不足の解消につながります。
下記の記事を合わせて読むことで、より深く理解ができると思います。
お店に再来店してもらう秘訣とアイデア | 固定客化するアイデア教えます
2-2.1人当たりの客単価を上げる
もし、お客さんは十分に来ているのに赤字体質から抜け出せない場合は、お客さん1人当たりの利益率が低い場合があります。
その場合は対策をお伝えしていきます。
2-2-1.商品の値段を上げる
お客さん1人当たりの利益率を上げる方法として、最も手っ取り早いのは商品の値段を上げることです。
でも、多くの人は値上げをすることで客離れが起こるのかもしれないと思い、なかなか踏み切ることができません。
しかし、そうならないようにするための対策があるのです。
それは、
『お客さんが欲しがる特典を付けて販売する』
ことです。
これらをすることで、多少値上げをしても、お客さんは商品だけでなく、特典のほうにも価値を感じてくれるので、買ってくれる人は減りにくくなります。
ここでの注意点ですが、あくまで
『特典はお客さんが欲しがるものにすること』
です。
特典だからといって、手抜き商品を付けたり、あとは自分の主観で「これでいいだろう」と思うようなものを得点にしても、お客さんには響きません。
あくまで、自分のターゲットであるお客さんが興味を示し、価値を感じるものを特典にする必要があります。
2-2-2.セット売りをする
もう1つの方法としては、
『商品のセット売りをする』
ことです。
これをすることで、普段なら単品でしか購入しない人も、セット商品のほうを選んでくれることがあります。
大事なポイントとしては、
『1つのコンセプトとしてセット商品を作ること』
です。
例えば、パン屋でセット商品を作るとしたら、ランダムにセットにするのではなく、
- クロワッサン3種セット
- 米粉パン5種セット
など、1つのコンセプトをテーマにして売ることで、そのコンセプトに響いた人が買ってくれるようになります。
なんでもかんでも抱き合わせてセットにするのではなく、コンセプト売りをすることで購入率が上がります。
2-3.無駄な経費を削る
3つ目の方法としては、
『無駄な経費を徹底的に削る』
ことです。
先ほども言いましたが、多くの人は「無駄な経費なんてない」と思いがちですが、実際はあってもなくてもお店の経営には影響のない経費を抱えているお店は結構あります。
それらを見極めて削ることで、利益率は確実にアップしていきます。
具体的に削るべき経費は以下の4つの条件に当てはまるものです。
- お店の稼働に必要な数以上の人件費
- ロスを出してしまう分の仕入れ費
- 売上に繋がらない交際費
- 経営上あってもなくてもいい雑費
1つ1つの経費は大した金額ではなくても、これらを積み重ねることで月単位、年単位で考えると、かなり大きな出費になってしまいます。
無駄な経費を徹底して削れば、赤字体質から抜け出す近道になります。
3.まとめ
赤字を解消するといっても、まずどのような原因で赤字になっているかを理解する必要があります。
そして、その原因を知ったうえで対策をすることが赤字解消の最も近道なのです。
当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、これができていない人は実は多くの人が思っているより多いのです。
もし、あなたが赤字で悩んでいるのでしたら、今回の記事を参考に行動を起こしてみてください。
きっとあなたの手助けになると思います。